PEGレシオとは?PERと利益成長率から株価を見る方法を解説
「成長企業はPERが高いから割高に見えるけど、本当に割高なの?」PEGレシオとは、PER(株価収益率)を利益成長率で割ることで、企業の成長性も加味して株価水準を見る指標です。PERだけでは判断しにくい成長企業の評価に使われることがあります。
「PEGレシオってどうやって計算するの?」「PERと何が違うの?」「PEGが低ければ割安と考えていいの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事ではPEGレシオの意味と計算方法、PERとの違い、使ううえでの注意点をわかりやすく解説します。
この記事でわかること:
- PEGレシオの意味と基本的な計算方法
- 具体的な数値例を使った計算方法・見方
- PERとの違いと、成長株の評価で使われる理由
- 一般的な目安と、「PEGが低い=割安」と機械的に判断できない理由
- 利益成長率の算出方法によってPEGが変わる注意点
※本記事はPEGレシオの一般的な考え方を解説するものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。指標の解釈は業種や個別企業の状況によって異なるため、投資判断は複数の情報を踏まえてご自身の責任で行ってください。
PEGレシオとは?
PEGレシオ(Price Earnings to Growth Ratio)とは、PER(株価収益率)を、企業の利益成長率(%)で割って算出する指標です。
計算式
PEGレシオ(倍) = PER(倍) ÷ 1株あたり利益(EPS)の成長率(%)
PERは「株価が利益の何倍まで買われているか」を示す指標ですが、成長率の情報は含まれていません。そのため、成長率が高い企業ほどPERが高くなりやすく、PERの数値だけでは「成長性を織り込んだうえで割安か割高か」を判断しにくいという課題があります。
PEGレシオは、このPERを利益成長率で割ることで、成長性も加味した株価水準の目安を示そうとする指標です。
PEGレシオの計算方法(具体例)
具体的な数値例で計算方法を確認してみましょう。
例:A社(PER30倍、今期の利益成長率30%と予想される場合)
PEGレシオ = 30倍 ÷ 30(%) = 1.0
例:B社(PER15倍、今期の利益成長率5%と予想される場合)
PEGレシオ = 15倍 ÷ 5(%) = 3.0
この例では、PERだけを見るとA社(30倍)の方がB社(15倍)より割高に見えます。しかし、利益成長率を加味したPEGレシオで比較すると、A社(1.0)の方がB社(3.0)よりも低く、成長性を踏まえると相対的に評価される余地がある、という見方ができます。
このように、PEGレシオは「PERの高さが、利益成長によって正当化されているかどうか」を確認する目的で使われます。
PERとの違いと、成長株の評価で使われる理由
PERは株価と足元の利益水準だけを比較する指標であるのに対し、PEGレシオは将来の利益成長を織り込んで評価する指標である点が大きな違いです。
- PER:株価が「現在の利益」の何倍かを示す(成長率は考慮しない)
- PEGレシオ:PERを「利益成長率」で割ることで、成長性を加味した水準を示す
成長企業(グロース株)は、将来の利益拡大を期待されて株価がすでに高い水準にあることが多く、PER単体で見ると割高に見えがちです。しかし、実際に高い利益成長を実現していれば、PEGレシオで見ると必ずしも割高とは言えない場合があります。
そのため、PEGレシオは特に成長率の高いグロース株を評価する際の補助指標として使われることがあります。グロース株とバリュー株の考え方の違いについては、グロース株とバリュー株の違い|投資スタイルの選び方と特徴を解説で詳しく解説しています。
PEGレシオの一般的な目安
PEGレシオの解釈について、一般的には次のような目安が紹介されることがあります。
| PEGレシオ | 一般的な見方 |
|---|---|
| 1.0前後 | PERの水準が利益成長率と見合っている目安とされることがある |
| 1.0未満 | 利益成長に対してPERが低め(相対的に評価される余地がある)と見られることがある |
| 1.0超 | 利益成長に対してPERが高め(成長性がすでに株価に織り込まれている)と見られることがある |
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、絶対的な基準ではありません。業種や市場環境、金利水準などによっても妥当な水準は変わるため、この数値だけで機械的に投資判断を行うことは適切ではありません。
「PEGが低い=割安」と機械的に判断できない理由
PEGレシオは便利な指標ですが、以下のような理由から、数値だけで単純に判断することはできません。
利益成長率の予想が外れることがある
PEGレシオの計算に使う利益成長率は、多くの場合「今後の予想値」です。予想が実際の業績と乖離した場合、PEGレシオの前提そのものが崩れてしまいます。
一時的な要因による成長率のゆがみ
前期の利益が一時的に落ち込んでいた反動で、翌期の成長率が見かけ上大きくなるケースがあります。このような場合、PEGレシオが実態以上に低く(割安に)見えてしまうことがあります。
赤字企業には使えない
EPSがマイナス(赤字)の企業では、PERそのものが算出できないため、PEGレシオも計算できません。
業種によって適正な成長率の水準が異なる
成熟業種と成長業種では「妥当な利益成長率」の水準が異なるため、異業種間でPEGレシオを単純比較することは適切ではありません。
利益成長率の算出期間・予想値の置き方に注意
PEGレシオを計算する際に使う「利益成長率」は、以下のようにいくつかの算出方法があり、どの数値を使うかによってPEGレシオの値が大きく変わる点に注意が必要です。
- 今期(1年間)の予想利益成長率を使う方法
- 今後数年間の平均利益成長率(年平均成長率)を使う方法
- アナリスト予想の成長率を使う方法
- 過去の実績成長率を使う方法
同じ企業でも、どの期間・どの予想値をもとに成長率を算出するかによって、PEGレシオの数値は変わります。複数の情報源でPEGレシオを比較する際は、どのような前提で成長率が算出されているかを確認することが大切です。
よくある質問(FAQ)
PEGレシオはどこで確認できますか?
一部の証券会社の銘柄情報や投資情報サイトで確認できる場合があります。ただし、算出に使われている利益成長率の前提はサービスによって異なることがあるため、確認する際は算出方法もあわせて把握しておくと安心です。
PEGレシオが1.0を下回れば必ず割安ですか?
必ずしもそうとは限りません。利益成長率の予想が外れる可能性や、一時的な要因で成長率が見かけ上大きくなっているケースもあるため、PEGレシオだけで割安・割高を断定することはできません。
PERとPEGレシオ、どちらを見ればいいですか?
どちらか一方ではなく、両方を組み合わせて確認することが基本です。PERで現在の株価水準を、PEGレシオで成長性を加味した水準を確認することで、より立体的に評価できます。
バリュー株にもPEGレシオは使えますか?
計算自体は可能ですが、PEGレシオは特に成長率の高い企業を評価する際に意味を持ちやすい指標です。成長率が低い、または安定的なバリュー株では、PBRや配当利回りなど他の指標の方が参考になりやすい場合があります。
まとめ
- PEGレシオとは、PERを利益成長率で割って算出する指標
- PERだけでは考慮されない「成長性」を加味して株価水準を評価できる
- 成長率の高いグロース株の評価で補助的に使われることが多い
- 「1.0前後が目安」とされることもあるが、絶対的な基準ではない
- 利益成長率の予想が外れる可能性や、一時的な要因によるゆがみに注意が必要
- 算出に使う成長率の期間・前提によって数値が変わるため、機械的に判断しない
PEGレシオは、PER単体では見えにくい成長性を踏まえた視点を補ってくれる指標です。他の指標と組み合わせながら、参考情報の一つとして活用することをおすすめします。
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免責事項
本記事は情報提供を目的としており、投資助言を目的とするものではありません。
掲載している情報の正確性には万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。


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