信用取引におすすめの証券会社は?金利・手数料・貸株料を比較
信用取引をこれから使う、またはすでに使っている場合、証券会社によって金利・貸株料・一般信用売りの対応状況・優遇制度が異なります。ただし「この1社が一番」という単純な答えはありません。数日〜数週間持ち越すのか、信用買い中心か、空売りを使うのか、株主優待クロスに使うのかによって、重視すべき条件が変わるためです。
この記事では、SBI証券・楽天証券・松井証券・GMOクリック証券・三菱UFJ eスマート証券・マネックス証券・DMM株の主要ネット証券7社を横並びで比較し、使い方別にどこが候補になるかを整理します。なお、当日中に決済するデイトレ目的の信用取引については、後述の比較軸とは異なる観点で見ていく必要があります。
この記事でわかること:
- 信用取引で証券会社を選ぶときの基本的な比較軸
- 主要ネット証券7社の制度信用・一般信用の金利・貸株料比較(2026年9月1日時点)
- 持ち越し・信用買い・空売り・優待クロス・大口優遇など、使い方別の候補
- デイトレ目的の場合に必要な、別の比較軸への橋渡し
信用取引の証券会社は何を基準に選ぶ?
信用取引には、証券取引所が対象銘柄・返済期限等を定める制度信用取引と、証券会社が独自に条件を設定する一般信用取引があります。証券会社を比較するときは、主に次の項目を確認します。
- 買方金利:信用買いの際にかかる金利
- 貸株料:信用売り(空売り)の際にかかる株式の借り賃
- 制度信用か一般信用か:対象銘柄・コスト構造が異なる
- 一般信用売りの対応:制度信用で売れない銘柄を扱えるか
- 返済期限:一般信用には期限がある区分とない区分がある
- 大口/VIP優遇:一定の条件を満たすと金利が優遇される制度の有無
信用取引の仕組み自体の詳しい説明はここでは繰り返さず、証券会社ごとの条件の違いを中心に見ていきます。
主要ネット証券7社の信用取引を比較|金利・手数料・貸株料
2026年9月1日時点の公式情報に基づく比較です。金利・貸株料・優遇条件は変更されることがあるため、最新情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。
以下は各社の通常条件(優遇適用前)です。大口/VIP優遇については別途注記・別セクションで扱います。
| 証券会社 | 制度信用 買方金利 | 制度信用 貸株料 | 一般信用(長期/無期限) 買方金利 | 一般信用(長期/無期限) 貸株料 | 一般信用売り |
|---|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 2.80% | 1.10% | 2.80% | 1.10% | 一般信用短期(返済期限15営業日、売建専用)で対応 |
| 楽天証券 | 2.80% | 1.10% | 2.80% | 1.10% | 一般信用短期(返済期限14日)で対応 |
| 松井証券 | 3.10% | 1.15% | 4.10% | 2.00% | 短期信用取引(返済期限14日)で対応 |
| GMOクリック証券 | 2.75% | 1.10% | 2.00% | 0.80% | 一般信用短期(返済期限30日)で対応 |
| 三菱UFJ eスマート証券 | 2.80% | 1.10% | 2.79%(長期・返済期限10年目応当日) | 1.10% | 一般信用(長期)の売建で対応(銘柄指定後、金利0%・プレミアム銘柄除く) |
| マネックス証券 | 2.80% | 1.15% | 3.47% | 1.10% | 一般信用短期(売建専用、返済期限14営業日)で対応 |
| DMM株 | 2.80%(Guest) | 1.10% | 2.80%(Guest) | 1.10% | 一般信用売り自体は提供(対象銘柄・在庫の詳細は公開情報からは確認できず) |
※三菱UFJ eスマート証券は2026年6月1日の金利改定後の数値です。マネックス証券・SBI証券の「一般信用短期」は売建専用のため、この区分に買方金利という概念はありません(該当なし)。SBI証券の一般信用短期の貸株料は、今回の調査時点では公式情報で確定できなかったため数値を記載していません。
使い方別|候補になる証券会社
信用取引は使い方によって重視すべき条件が変わります。ここでは「どこが一番か」ではなく、条件ごとに候補になり得る証券会社を整理します。
数日〜数週間持ち越すことが多い人
建玉を持ち越す場合、通常の一般信用(無期限・長期)の買方金利・貸株料が効いてきます。GMOクリック証券の一般信用(買方金利2.00%・貸株料0.80%)は7社の中でも低い水準ですが、持ち越し前提の使い方であればSBI証券・楽天証券(買方金利2.80%・貸株料1.10%)や、大口優遇が適用できるSBI証券・楽天証券・三菱UFJ eスマート証券も候補になります。単一の証券会社に絞らず、自分の建玉規模や取引頻度で比較することが重要です。
信用買いを中心に使う人
信用買い中心であれば、まず制度信用・一般信用の買方金利を比較します。通常条件では大きな差はありませんが(松井証券・マネックス証券の一般信用無期限がやや高めな点を除く)、大口/VIP優遇を利用できるかどうかで実質的なコストが変わります。優遇の条件は後述します。
空売りを使う人
空売りには、証券取引所が対象銘柄を定める制度信用売りと、証券会社が独自に対象銘柄・在庫を用意する一般信用売りがあります。SBI証券・楽天証券・松井証券・GMOクリック証券・マネックス証券は一般信用の短期区分で売建に対応しており、三菱UFJ eスマート証券は一般信用(長期)で対応しています。ただし、空売り可能な銘柄数・在庫状況は日々変動するため、「空売りできる銘柄が最も多い」といった比較はできません。利用したい銘柄が対象になっているかは、その都度各社の取引画面で確認する必要があります。
株主優待クロスに使う人
株主優待クロス(現物買いと一般信用売りを組み合わせて権利を確保する手法)では、一般信用売りの対応・貸株料・返済期限・在庫が重要になります。返済期限で見ると、三菱UFJ eスマート証券の一般信用(長期)は10年と非常に長く、SBI証券(15営業日)・楽天証券(14日)・松井証券(14日)・GMOクリック証券(30日)・マネックス証券(14営業日)はいずれも短期区分の期限内で運用する形になります。
ここで正確に理解しておきたいのが逆日歩の仕組みです。逆日歩は制度信用売りにのみ発生する、証券取引所の貸借取引市場に由来する仕組みで、一般信用売りは証券会社が自社で株式を調達するため、原則として逆日歩は発生しません。これは特定の証券会社が優れているという話ではなく、制度信用と一般信用という区分そのものの違いによるものです。
大口・VIP優遇を利用できる人
一定の条件を満たすと、通常より低い金利が適用される制度が一部の証券会社にあります。通常利用者向けの条件ではない点に注意してください。
- SBI証券「大口優遇」:新規建て月間3億円以上、または貸株・投信残高3千万円以上などの条件で、制度信用買方金利が2.28%に優遇
- 楽天証券「大口優遇(超割コース選択時)」:まいにち判定(1日3,000万円以上)またはまいつき判定(月間3億円以上、または投信・貸株平均残高3,000万円以上)で、制度信用2.28%・一般信用2.10%に優遇(適用期間3ヶ月間)
- GMOクリック証券「VIPプラン」:信用建玉平均残高3,000万円以上、または外貨預り平均残高10万米ドル以上等の条件で、制度信用買方金利のみ1.80%に優遇(一般信用は対象外)
- 三菱UFJ eスマート証券「クラウンプラン」等:建玉残高・預り資産等の段階的な条件で、一般信用(長期)の金利が優遇(最上位プランで一般信用買方金利1.15%程度まで優遇)
- DMM株「VIPコース」:信用建玉残高5,000万円以上(日次判定)、または月間3億円以上・前月平均3,000万円以上(月次判定)で優遇金利が適用
松井証券・マネックス証券については、信用取引専用の大口優遇プログラムは今回の調査では確認できませんでした。
7社それぞれが候補になるケース
各社を無理に高評価にせず、条件面での特徴を中立的に整理します。
SBI証券:制度信用・一般信用とも標準的な水準(2.80%/1.10%)。大口優遇(月間3億円等)が利用できる場合はコストを抑えやすい。一般信用短期は売建専用で優待クロスにも使える。
楽天証券:SBI証券と同水準の金利(2.80%/1.10%)。大口優遇(超割コース選択時)の条件がSBI証券と近く、一般信用短期(14日)は優待クロス用途にも利用しやすい。
松井証券:一般信用(無期限)の金利は買方金利4.10%・貸株料2.00%と、7社の中では高めの水準。一方で短期信用取引(14日)や、複数日保有向けの短期信用プレミアム空売りなど、優待クロス関連の機能を備えている。信用取引以外のメリット・デメリットは松井証券のメリット・デメリットは?特徴や向いている使い方を解説で詳しく解説している。
GMOクリック証券:一般信用(無期限)の買方金利2.00%・貸株料0.80%は7社の中で低水準。持ち越し中心の使い方でコストを抑えたい場合の候補になり得る。ただしVIPプランの優遇対象は制度信用の買方金利のみで、一般信用は対象外である点は押さえておきたい。
三菱UFJ eスマート証券:制度信用(2.80%/1.10%)・一般信用長期(2.79%/1.10%)とも標準的な水準。一般信用(長期)の返済期限が10年と長く、優待クロスや長期の売建を考える場合の選択肢になる。クラウンプラン等の優遇制度もある。
マネックス証券:制度信用(2.80%/1.15%)・一般信用無期限(3.47%/1.10%)。一般信用無期限の買方金利はやや高めだが、一般信用短期(売建専用、貸株料3.90%、返済期限14営業日)は優待クロス向けに使える。
DMM株:制度信用・一般信用無期限とも標準的な水準(2.80%/1.10%)。一般信用売りの対象銘柄・在庫の詳細は公式サイトで公開されておらず、この点は他社と比べて情報が少ない。
デイトレ目的なら別の比較軸が必要
当日中に建玉を決済するデイトレでは、ここまでの比較軸とは異なる条件が重要になります。SBI証券「日計り信用」・楽天証券「いちにち信用」・松井証券「一日信用」・三菱UFJ eスマート証券「デイトレード信用取引」・マネックス証券「ワンデイ信用」・DMM株「一般信用デイトレ」といった当日決済型の信用取引サービスに加え、取引ツール・板発注・注文機能なども比較材料になります。この点は デイトレにおすすめの証券会社は?手数料・取引ツールを比較 で詳しく比較していますので、当日決済が中心の方はそちらをご覧ください。
信用取引の証券会社選びで見落としやすいポイント
- 金利・貸株料は年率での表示です。実際の負担額は建玉の金額・保有日数で変わります
- 建玉を持ち越す期間が長いほど、金利・貸株料の負担は積み上がります
- 一般信用売りは在庫が必要で、銘柄によっては利用できない場合があります
- 制度信用売りには逆日歩が発生する可能性がありますが、一般信用売りには原則発生しません
- 大口/VIP優遇には、建玉残高や取引金額などの条件があります
- 金利・貸株料・優遇条件・返済期限などのサービス内容は変更されることがあります
信用取引を利用するときの注意点
信用取引はレバレッジを利用するため、相場が想定と逆に動いた場合、預けた保証金以上の損失が生じる可能性があります。含み損が拡大すると追加保証金(追証)が必要になることもあります。金利・貸株料は保有期間に応じて発生するコストであり、長期間の保有では負担が積み重なります。信用取引の仕組みやリスクについては 信用取引とは?仕組み・現物取引との違い・リスクをわかりやすく解説 で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
よくある質問
信用取引はどの証券会社でも同じ?
いいえ、証券会社によって制度信用・一般信用の金利や貸株料、一般信用売りの対応状況、優遇制度の有無が異なります。持ち越し・信用買い・空売り・優待クロスなど、使い方に応じて比較することが大切です。
信用取引の金利はいつかかる?
建玉を保有している期間に応じて、年率で計算された金利・貸株料がかかります。当日中に決済する場合は各社のデイトレ向け信用取引サービスを使うことで金利・貸株料がかからないケースもあります。
制度信用と一般信用はどちらを選べばいい?
制度信用は証券取引所が対象銘柄・返済期限を定めており、コストが比較的抑えられる傾向があります。一般信用は証券会社が独自に条件を設定しており、返済期限のない区分や、制度信用で扱えない銘柄の空売りに対応できる区分などがあります。目的に応じて使い分けます。
一般信用売りなら逆日歩はかからない?
一般信用売りは証券会社が自社で株式を調達する仕組みのため、原則として逆日歩は発生しません。逆日歩が発生する可能性があるのは制度信用売りです。
デイトレではどの証券会社を選べばいい?
当日決済型の信用取引サービスや取引ツール・板発注・注文機能が比較軸になります。前述の「デイトレ目的なら別の比較軸が必要」もあわせてご確認ください。
まとめ|使い方によって重視すべき条件が変わる
信用取引で使う証券会社は、「この1社が最強」と決められるものではありません。
- 持ち越し中心なら一般信用の金利水準
- 信用買い中心なら金利と大口優遇の有無
- 空売り中心なら一般信用売りの対応と在庫
- 優待クロスなら一般信用売り・貸株料・返済期限
- 取引規模が大きいなら大口/VIP優遇の条件
といった、自分の使い方に合わせて比較することが大切です。数値や条件は変更されることがあるため、実際に利用する際は各証券会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
証券会社の公式サイトを確認する
各社の最新条件や取扱銘柄は、公式サイトでも確認してください。
- ▶ SBI証券の公式サイトはこちら
- ▶ 楽天証券の公式サイトはこちら
- ▶ 松井証券の公式サイトはこちら

- ▶ GMOクリック証券の公式サイトはこちら
- ▶ 三菱UFJ eスマート証券の公式サイトはこちら
- ▶ マネックス証券の公式サイトはこちら
- ▶ DMM証券の公式サイトはこちら

免責事項
本記事は情報提供を目的としており、投資助言を目的とするものではありません。
掲載している信用金利・貸株料・優遇条件等の仕様は2026年9月1日時点で各証券会社の公式サイトを確認したものですが、内容は変更される場合があります。最新の情報は必ず各証券会社の公式サイトでご確認ください。
掲載している情報の正確性には万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

